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平成17年4月26日 北海道担い手育成総合支援協議会
- 平成21年度(向こう5カ年)に向けた担い手育成・確保の基本方針
- 総論
- 我が国の主要な食料生産・供給地域である本道においては、農業従事者の高齢化や後継者不足による担い手の減少が急速に進みつつある。
- このような状況の中で、本道農業の持続的な発展を図っていくためには、効率的かつ安定的な農業経営を目指して、農業経営の計画的な改善に取り組む意欲と能力のある担い手の育成・確保を図ることが急務となっている。
- このため、関係機関・団体等が共通の目標の下に一体となって、認定農業者等の育成や農業経営の法人化など地域農業の担い手の育成・確保と経営改善の促進に向けた担い手育成支援の事業に取り組むものとする。
- 認定農業者
- 農地の利用集積対象経営の認定農業者への誘導
- 「市町村基本構想の水準到達者」については、速やかに、「農業経営改善計画」の作成指導を行い、認定農業者への誘導を促進する。
- 「今後育成すべき農業者」については、効率的かつ安定的な農業経営を目指す農業経営として、経営改善指導を通じた計画的な経営改善の取組を促し、認定農業者への誘導を促進する。
- 「地域水田農業ビジョン」に位置付けられた「担い手」の認定農業者への誘導
- 「地域水田農業ビジョン」に位置付けられた「担い手」のうち、認定農業者になっていない者については、「水田農業推進協議会」と連携を図り、速やかに「市町村基本構想」に即し、「農業経営改善計画」の作成指導を行い、認定農業者への誘導を促進する。
- 認定農業者制度の運営改善の徹底
- 認定農業者制度の浸透度合や取組は、支庁間・市町村間に格差がみられる状況にあることから、「制度の普及推進」に取組むとともに、「認定プロセスの透明性の確保」、「農業経営改善計画認定後のフォローアップ」などの運営改善に取組む。
- なお、農業生産や農村社会で重要な役割を果たしている女性の農業経営者としての位置付けを明確化するため、女性認定農業者の拡大等を促進する。
- 農業経営の法人化
- 経営の法人化を志向している者に対しては、法人設立研修会や個別の設立相談活動を通じて、法人設立を推進する。
- 経営規模が小さな水田地帯や農業従事者の高齢化の進行や担い手不足が深刻化している地域では、集落営農の取組も含めた地域農業の核となる特定農業法人の育成を促進する。
- 集落営農の組織化・法人化
- 地域農業を今後担うこととなる家族経営や法人経営の育成・確保が当面難しい地域においては、集落の現状と将来についての話し合い活動を重ね、農用地利用改善団体として担い手の明確化、農地の利用集積の方向を定める取組を推進することにより、集落営農の組織化・法人化(特定農業団体・特定農業法人)を促進する。
- なお、促進に当たっては、本道の実態に即した集落営農の組織化・法人化について関係機関・団体等で検討を行いながら進める。
- また、農業機械・施設利用組合などの集落営農組織や作業受託組織などの農業サービス事業体も地域の担い手を支援する組織として、育成・確保を促進するとともに、法人化を推進していく。
- 平成21年度(向こう5カ年)に向けた担い手育成・確保の目標
- アクション・プログラム実現のために必要な活動等に関する事項
- 地域・市町村段階における担い手育成目標の策定に向けた推進活動の支援
- 地域協議会等(地域協議会が設立されていない市町村にあっては、市町村、農業委員会、農業協同組合等)の担当者を対象としたブロック別説明会を開催し、道協議会のアクション・プログラムの推進に関する説明を行うとともに、地域協議会の設立指導、地域協議会等における目標策定に係る支援を実施
- 地域における担い手の明確化と育成・確保に対する支援
- 認定農業者制度の普及・啓発活動の実施
- 認定農業者制度の運営改善に関する調査・指導の実施
- 農業経営改善計画の情報収集及び提供(委託:北海道農業会議)
- 地域協議会等の担当者を対象とした経営管理指導者研修会の開催
- 地域協議会等の担当者を対象とした法人設立指導者養成研修会の開催
- 重点市町村における現地法人化推進検討会議の開催
- 認定農業者等担い手の経営改善・能力の向上支援及び地域リーダーの育成
- 認定農業者の経営診断分析の実施
- 集落営農の組織化・法人化を推進するための地域リーダー育成研修会等の開催(委託:北海道農業協同組合中央会)
- 法人経営の多角化を推進するための検討会の開催、優良事例集の作成(委託:北海道農業会議)
- 法人と実需者及び消費者とのマッチングによるビジネス拡大フェアの開催(委託:北海道農業会議)
- 農業経営の法人化の推進
- 農業者等を対象とした法人設立研修会の開催
- 法人設立に当たっての個別相談・指導(委託:北海道農業会議)
- 法人設立普及・啓発資料の作成
- 担い手の交流活動の促進
- 全国段階で実施される「認定農業者サミット」への参画
- 地域協議会の優良事例報告会の開催
- 認定農業者組織の活動情報交換会の開催
- 農業サービス事業体への支援
- 地域の「担い手」を目指す農業サービス事業体(農業者が組織するものを除く)に対し、受託料金の5カ年分以内に相当する額を金融機関から借り入れた際の利息への一定割合の助成
- 平成17年度の活動目標
- 本年度の活動の重点
- 地域段階における担い手の確保・育成を促進する体制の整備を促進するとともに、国と「全国担い手育成総合支援協議会」が策定した「平成17年夏に向けた担い手育成の重点方針」に即した活動を重点的に展開する。
- なお、17年夏以降に明らかにされる経営安定対策の仕組みや改正農業経営基盤強化促進法に基づく、基本方針・基本構想の見直しの動きと連携した担い手育成・確保の取組を推進・支援する。
- 本年度の担い手育成・確保の目標
担い手育成・確保の目標
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現状 |
平成17年度末目標 |
平成21年度末目標 |
現状数値
| 基準年
| 年間確保目標
| 年度末目標
| 目標数値
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認定農業者 |
25,614 |
平成17年3月 |
約1,700 |
約27,300 |
約33,000 |
農業生産法人 |
2,072 |
平成16年1月 |
約100 |
約2,200 |
約2,600 |
特定農業法人 |
5 |
平成17年3月 |
約5 |
約10 |
約30 |
集落営農 |
647 |
平成12年11月 |
約150 |
約800 |
約1,300 |
特定農業団体 |
0 |
平成17年3月 |
約5 |
約5 |
約30 |
担い手への農地利用集積率 |
87.1% |
平成16年3月 |
0.7% |
約89% |
約92% |
うち認定農業者 |
60.6% |
平成16年3月 |
4.0% |
約72% |
約85% |
- 資料:
- 「現状」欄の「認定農業者」、「農業生産法人」、「特定農業法人」、「特定農業団体」及び「担い手への農地利用集積率」は、北海道農政部調べ。「集落営農」は、農林水産省「農業構造動態調査(地域就業等構造調査)」(平成12年11月1日現在)による。
- 注 :
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- 「担い手への農地利用集積率」の「担い手」は、「認定農業者」、「市町村基本構想水準到達者」及び「今後育成すべき農業者」をいう。
- 現状及び目標値については、今後、地域協議会等のアクション・プログラム等を踏まえ、修正・変更を検討する。
- 来年度の目標策定に当たっては、本年度中に北海道農業・農村振興条例に基づき策定する「農業・農村振興計画」等との整合性を図る。
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