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平成17年8月5日 青森県担い手育成総合支援協議会

  1. アクションプログラム策定と策定に当たっての考え方
    • 本県は、食料自給率で115パーセント(平成14年度)、全国第4位と高く、米、野菜、果実、畜産物の生産のバランスのとれた食料供給県となっている。しかも、本県の農業は、蓄積された技術、広大な農地、夏季冷涼な気象など本県の特性を生かした優位産業で、本県経済の基幹産業でもあり、今後ともその一層の振興が期待されている。
    • このため、本県の地域特性を生かし、県内の32団体が「攻めの農林水産業」推進本部(本部長:青森県知事)を設置(平成16年4月)し、生産から流通・販売までを結びつけ、収益性のアップを図ることを基本に、消費者が求め、必要とする安全・安心で良質な県産農林水産物やその加工品を生産し売り込んでいくという「攻めの農林水産業」を展開している。
    • しかし、長引く景気の低迷に加え、外国産農林水産物の大量輸入や産地間競争の激化など農産物をめぐる厳しい販売環境に対応し、さらに農業がこれまでに引き続き県経済において重要な役割を果たしていくためには、本県農業の生産基盤を担う人材の育成が必要であることから、青森県担い手育成総合支援協議会(以下「県協議会」という。)では、地域の関係機関・団体と一体となって、国の施策動向も踏まえながら、認定農業者、農業生産法人、集落営農組織といった担い手の育成・確保の効果的な推進に取り組む。
    • 本アクションプログラムは、こうした担い手の育成・確保に必要な目標とその達成に向けた活動計画・目標を定めるものである。
  2. 平成22年度(向こう5か年)に向けた担い手育成・確保の基本方針
    1. 総論
      • 農業就業人口の減少や高齢化等に対応して、農業の構造改革が緊急の課題となっている。農業者による主体性と創意工夫を発揮した経営改善が求められるとともに、重要な地域資源である農地の利用促進を耕作放棄地の活用も踏まえて取り組んでいく必要がある。
      • 平成17年3月に閣議決定された国の新たな「食料・農業・農村基本計画」では、平成19年産から導入する品目横断的政策や補助事業、制度資金等の施策の対象を担い手に集中化・重点化することとしており、主要な食料供給県である本県としては、国の方向も踏まえた担い手の育成・確保に集中的に取り組んでいく。
      • 担い手育成・確保を進めるに当たって、認定農業者(法人を含む)の大幅な拡大を図るとともに、地域の実情を十分勘案し、多様な担い手が活躍できる集落営農の組織化に努める。
      • この場合、集落営農については、平成19年産からの導入が検討されている新たな経営安定対策(産業政策)の対象となる、経理の一元化など一定の要件を満たす集落営農の設立を基本として、集落営農の組織化・法人化のための合意形成等の支援に努める。
    2. 認定農業者
      • 認定農業者の育成については、国の施策の対象ともなる地域農業の担い手として緊急に拡大していくこととし、地域担い手育成総合支援協議会(以下「地域協議会」という。)や各地方農林水産事務所段階で関係機関・団体を構成員として設置する推進チームなどと連携して、農業改良普及計画でのリストアップ農家や地域水田農業ビジョンで担い手に位置付けられた農家などから認定農業者の候補を具体的に特定した上で、
        1. 農業経営改善計画の個別作成指導をはじめ、
        2. 農業者の経営状況の把握や経営目標の設定などを行う経営相談会の開催
        3. 低利の資金借入が可能であることや今後実施されることとなる経営安定対策の対象者となる見込みにあることといった認定農業者制度のメリットの啓発
        などについて、戸別訪問など積極的な取組みを実施し、これらの候補を速やかに認定農業者に誘導する。
      • 特に農業委員会では、1農業委員が1年間に1人以上の認定農業者を掘り起こす運動を展開しているので、この取組みと連携していく。
      • また、認定農業者となり、5年を経過した農業者に対しては、農業経営改善計画を作成して再認定を受けるよう強力に指導するなど、認定農業者の資質向上に努める。
    3. 農業経営の法人化
      • 農業経営の法人化は、農業経営の改善を図る上で有効な手段となるものであり、法人数の増加は本県農業を魅力ある職業・職場として育むことにもつながるので、今後とも法人化の利点などのPRを行いながら、条件の整った経営体から順次、法人化への誘導を図っていく。
      • また、農作業受託集団や農産加工グループ、さらにスケールメリットを追求する多様な担い手などについては、経営の熟度に応じた法人化を目指す相談が寄せられおり、こうした動きもとらえた法人化を誘導する。
      • 法人化の一層の推進を図るためには、法人化のメリット、法人化に伴う負担の増加、法人化の手順や事務手続きなどについて、実情に応じた指導・相談が不可欠であることから、市町村及び農業委員会等で開催する法人化研修会の講師派遣や個別相談を行うなど、法人化に向けての活動を積極的に実施する。
      • 併せて、農業経営改善計画で経営の法人化を志向している者に対しては、法人化の普及・啓もう及び相談活動を実施する。
    4. 集落営農の組織化・法人化
      • 地域の実情に応じて、多様な担い手が活躍できる集落営農づくりを推進するため、重点地区を選定し、経理の一元化に向けた経営管理のあり方、集落営農の組織化・法人化に向けた取組手法などについて、農林水産事務所普及指導室や市町村、JAなどの地域団体が連携しながら、税理士など実務専門家の派遣や研修会を開催するなど濃密に指導していく。
      • 特に、JA系統組織では、今年度から「多様な担い手が活躍できる集落の営農組織づくり」に強力に取り組むこととしているので、関係機関・団体の連携を強めてこの活動を支援していく。
  3. 平成22年度(向こう5か年)に向けた担い手育成・確保の目標
    • 別紙「担い手育成・確保の目標」
  4. アクションプログラム実現のために必要な活動に関する事項
    • 国・地域における取組みとの連携
      国は、地域で考える担い手創成プロジェクトチームを設置し、全国担い手育成総合支援協議会と連携して、認定農業者の増加等担い手の育成・確保に向けた全国運動を展開しているところであり、本県においても5月26日、青森市において「地域農業の振興に関する意見交換会」や6月28日に八戸市において東北農政局長との意見交換会が開催されたほか、各地域で意見交換会や検討会を開催している。
      また、地域においては、農林水産事務所や市町村段階に担い手育成組織を立ち上げており、こうした取組みを支援していく。
      • 国機関との連携活動
      • 地域担い手育成総合支援協議会未設置市町村に対する設立要請活動
      • 市町村段階における担い手育成目標の策定に向けた支援活動
      • 推進チームによる市町村段階での方向付けを明確にするための支援
    • 担い手・地域リーダーの育成・ネットワーク化
      • 認定農業者連絡協議会の組織化と活動強化
      • 農業委員による認定志向農業者の認定支援
      • 集落営農の組織化に向けて主体的な役割を果たす地域リーダーの育成
    • 農地の利用調整
      • 農用地利用改善団体の組織化の促進
      • 農地保有合理化事業や基盤整備事業の推進を通じた面的な利用集積
      • 農業委員会、市町村などによる農地流動化の推進
    • 経営改善に関する支援
      • 担い手の経営管理能力の向上等経営改善の促進
      • 担い手育成を目的とした国のハード・ソフト事業の活用の推進
  5. 平成17年度の活動目標
    1. 本年度の活動の重点
      • 新たな食料・農業・農村基本計画における担い手の明確化と施策の集中化・重点化の周知
      • 認定農業者及び特定農業団体・特定農業法人制度の周知
      • 各農林水産事務所単位に設置する推進チームなどによる市町村・JA等の目標設定とその実現をめざす取組みの明確化
    2. 本年度の活動事業
      1. 認定農業者拡大活動
        • 農業経営改善計画の個別作成指導
        • 認定志向農業者支援研修会の開催
        • 経営相談会の開催
        • 担い手交流会の開催
        • 農業経営指導者養成講習会の開催
      2. 集落営農組織化・法人化活動
        • 集合研修及び情報交換会の開催
        • 重点指導地区へのスペシャリスト派遣等個別訪問の実施
        • 各JAにおける1以上の集落営農組織づくり(35モデル地区)の支援
      3. 経営改善・能力向上支援活動
        • 認定農業者フォローアップ活動の展開
        • 経営管理能力向上講習会の開催
        • コンサルタント活動
        • 地域リーダー養成研修会の開催
        • 担い手経営情報調査・分析活動の実施
        • 経営指導担当者研修会の開催
      4. 経営法人化推進活動
        • 農業法人化説明会の開催
        • 法人化指導担当者研修会の開催
      5. 経営多角化・高度化及び交流活動
        • 全国経営多角化・高度化シンポジウムへの参加
        • 全国担い手交流会への参加
        • 担い手優良活動事例の調査
        • 全国優良活動発表会への参加

担い手育成・確保の目標

  1. 認定農業者育成・確保の目標
    区  分 現  状 平成17年度末 平成19年度末 平成21年度末
    認定農業者 3,804 4,800 7,000 9,000
    うち法人 116 150 200 250
    注1)認定農業者の現状値は、H17.3月末現在
  2. 集落営農育成・確保の目標
    区  分 現  状 平成17年度末 平成19年度末 平成21年度末
    集落営農 112 150 500 900
    うち特定農業団体
    特定農業法人
    0 2 50 90
    注2)集落営農の現状値は、H17.5.1現在の農林水産統計