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平成17年7月12日 岩手県担い手育成総合支援協議会

  1. アクションプログラム策定と策定に当たっての考え方
    • 岩手県担い手育成総合支援協議会(以下「県協議会」という)は、国が示した「農業構造の展望(平成27年」の効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の)相当部分を担う農業構造の確立に向けて、効率的かつ安定的な農業経営及びこれを目指して経営改善に取り組む農業経営(以下「担い手」という)の育成確保に取り組む。
    • その際、当面5年間の担い手育成・確保に向けた取組目標を掲げるとともに、その目標達成に向けて単年度ごとの目標を設定し必要な事業を実施することを定めた「担い手育成アクションプログラム(以下「プログラム」という)を策定」する。
    • 県協議会が、プログラムを策定するに当たっては、地域担い手育成総合支援協議会(以下「地域協議会」という)が策定するプログラムとの整合性に留意することとするが、平成17年度については初年度であり、現場からの積み上げ作業が十分にできないことから、岩手県農業農村基本計画等に基づき策定することとする。よって、17年度のプログラムで定める平成22年度(向こう5カ年)の目標は、平成18年度以降、大幅な改訂もあり得る性格のものである。
    • 県及び地域協議会とも次年度のプログラムを前年度末までに策定することとする。ただし、前年度取組の結果とその検証を踏まえ、地域協議会は4月末、県協議会は5月末までにプログラムに定めた数値目標等の修正・変更を行うことができるものとする。
    • なお、このプログラムは別添要領により全県運動を展開している「担い手コールオン3(スリー)運動」の年度毎の行動計画という性格も有している。地域協議会が設置されている地域・市町村は運動との整合に留意するとともに、地域協議会を設置しない市町村においては、このプログラムに準じた行動計画等の作成により市町村基本構想の当該年目標に向けた効果的な推進に留意するものとする。
  2. 平成22年度(向こう5カ年)に向けた担い手育成・確保の基本方針
    1. 総論
      • 土地利用型農業における構造改革を促進
        「農業構造の展望」を実現をするためには、担い手の確保が最重要の課題である。とりわけ水田農業地帯を代表とする土地利用型農業においては、兼業化と主要な労働力の高齢化が顕著であることから、重点的に構造改革を促進していく必要がある。
      • 認定農業者、集落営農組織の育成と農地の利用集積の促進
        土地利用型農業の構造改革を進めるためには、担い手の育成・確保とともに農地の利用集積を促進することが重要である「集落水田農業ビジョン」(以下「集落ビジョン」という。)を基本に、地域・集落の実態に即した担い手の育成・確保と農地の利用集積を進めるものとするまた担い手の育成・確保については認定農業者と合わせて集落営農の組織化、法人化に向けて支援を進める。
      • 新たな経営安定対策への対応
        また、平成19年産から実施される予定の新たな経営安定対策の対象要件は、現在検討されているが、基本は一定の要件を満たす認定農業者及び集落営農組織となる見込みである。制度の具体化にあたっては、平成17年度の認定農業者数および現行の担い手経営安定対策加入状況が参考とされる見込みである。こうした観点からも、認定農業者及び集落営農組織の育成・確保は喫緊の課題である。
      • 水田農業改革運動と連携した「担い手コールオン3運動」による加速化
        上記の取組を進めるために、県協議会は地域協議会とともに、県及び地域の水田農業推進協議会(以下「水田協議会」と言う。)と一体となって「集落ビジョン」の実践運動と連動し「担い手コールオン3運動」を県内全域で展開し、担い手の育成・確保を加速化させるものとする(別紙「担い手コールオン3運動実施要領」参照。)
    2. 認定農業者の育成
      • 運動の中で「集落ビジョン」に位置づけられた「担い手」のうち、認定農業者になっていない個別経営体(法人を含む)について、認定農業者となる意向等を調査し、経営の熟度の高い順から、その課題を解消させて認定農業者への誘導を行う。なお「集落ビジョン」を策定していない集落においては、市町村の農地利用集積計画における「今後育成すべき農業経営」を中心に認定農業者への誘導を行う。
      • 認定農業者に誘導後は、経営改善計画の実現に向け、記帳と経理の指導や青色申告などを通じた経営管理能力の向上や、農地利用集積の促進などの具体的な支援活動を推進していく。
    3. 集落営農の組織化・法人化
      • 運動の中で「集落ビジョン」に位置付けられた担い手のうち、法人化を目指す集落営農組織に対し意向を調査し、熟度の高い順から集落型の経営体に育成する。
      • 水田作を主とする営農組織の特定農業団体化にあたっては、担い手経営安定対策の水田面積要件(基本原則20ha以上)が確保できるよう農用地利用改善団体の活動を支援する。
      • 特定農業団体については、その経営の効率化と安定化のため、5年以内に農業生産法人になれるよう指導を継続する。
      • 最終的には、特定農業法人(認定農業者)まで誘導し、税制や制度資金を活用しながら、効率的かつ安定的な経営体に育成する。
      • 集落型の経営体の育成にあたっては地域・集落での話し合いが極めて重要であり、市町村、JA、地域の農業改良普及センターに設置している集落型経営体支援センターが連携し、効果的に育成するものとする。
    4. 作業受託組織の育成
      • 米・麦・大豆の作業受託組織なども地域の担い手として集落ビジョンに位置づけられているので農業の経営体に発展するよう誘導し農業法人へと育成する
    5. 農業経営の法人化
      • 法人化を志向する認定農業者並びに集落営農組織に対する支援を最優先に行う。
      • なお認定農業者以外の者においても経営の熟度が高い者については法人化認定農業者(法人)へ育成していく。
  3. 平成22年度(向こう5カ年)に向けた担い手育成・確保の目標
    • 別紙「担い手育成・確保の目標」参照。
  4. プログラム実現のために必要な活動事項

    プログラム実現のために必要な活動の基本的な事項については次の通りとし、具体的には地域の実情に応じて関係する機関・団体の適切な役割分担の下実施する。
    別紙アクション・プログラム実現のために必要な活動事項スキーム参照

    • 地域段階における取組みとの連携
      • 地域段階における担い手育成目標の策定に向けた推進活動。
    • 担い手・地域リーダの育成・ネットワーク化
      • 地域における担い手の明確化と育成確保並びに担い手のネットワーク化。
      • 集落営農の組織化に向けて主体的な役割を果たす地域リーダーの育成とネットワーク化、必要な事業の実施。
    • 土地利用調整
      • 農用地利用改善団体の組織化を促進するとともに、農地保有合理化事業の活用促進・基盤整備事業・土地改良区等の一体的な取組みによる面的な利用集積
        • 団地化の促進、必要な事業の実施。
    • 経営管理及び態様整備に関する支援
      • 担い手の経営管理能力の向上等、農業者年金の情報提供等、経営改善の促進並びに必要な事業の実施。
    • 金融的支援
      • 担い手向け融資の活用推進及びコンサルティング体制強化、農業法人に対する出資、農業再生支援の取組み等、必要な事業の実施。
    • 支援体制等整備等
      • 毎年の担い手育成目標の達成とそれに必要な取組みを実施するために担い手の育成・確保に関する必要なデータ・情報の整備と行政・団体間における共有化の促進。
      • 集落ビジョン実践強化に向けた取組みとの整合性を図るため、水田協議会と連携し、集落ビジョンのブラッシュアップを徹底。
    • プログラムの着実な実行のための点検評価
      • プログラムの着実な実行を期すため、その進捗状況の確認と課題把握、解決のため県及び地域協議会は定期的に検討を行う。
  5. 平成17年度の活動目標
    1. 本年度の活動の重点
      • 地域における担い手の明確化に向けた話し合い活動の促進、地域・県協議会でのプログラムの策定とその中において、行政・関係団体が共有化した将来的な担い手育成の目標を設定することを重点的な取組みとし、必要な事業等を行っていく。
      • 運動を推進する中で「集落ビジョン」で明確化された担い手(個別経営及び集落組織)を中心に、認定農業者や集落型の経営体の育成を重点的に行っていく。
      • 平成17年秋に明らかにされる経営安定対策の仕組み、同時期に施行される改正農業経営基盤強化促進法に基づく、基本方針、基本構想策定の動きと軌を一にした担い手育成・確保の取組みを支援する。
    2. 本年度の担い手育成・確保の目標
      • 別紙「担い手育成・確保の目標」参照。

担い手育成・確保の目標

  現状 平成17年度末目標 平成22年度末目標
現状数値 基準年 年間確保目標 年度末目標 目標数値
認定農業者 6,840 平成16年 660 7,500 11,000
農業法人 340 平成16年 20 360 435
集落営農 792 平成16年 18 810 900
うち特定農業団体 17 平成16年 5 22 45
うち特定農業法人 5 平成16年 5 10 45

農業における担い手育成に対する主だった関係機関・団体の役割分担

  1. 担い手・地域リーダーの育成、ネットワーク化
    「担い手コールオン3 運動」の展開による、個別経営体、集落型の経営体(集落営農組織)の育成。
    1. 担い手の育成・確保とネットワーク化
      県担い手育成総合支援協議会
      • 県(本庁)− 市町村等への指導・支援
      • JA県中央会− 農協への指導・支援。集落営農組織、法人化育成支援。
      • 県土地連− 土地改良区への指導・支援
      • 県農業公社− 農地保有合理化事業を通じた農地集積支援
      • 県信連− 担い手への融資支援
      • 農林金融公庫盛岡支店− 担い手への融資支援
      • 県農業会議− 担い手協議会活動の企画・調整、市町村等への指導・支援、集落型経営体( 集落営農組織)、法人化設立支援、認定農業者経営確立、ネットワーク化支援。
      連携
      地域(市町村)担い手育成総合支援協議会県
      • 市町村− 担い手育成に係る企画調整・立案、実践。認定農業者の経営確立、ネットワーク支援。
      • 農協− 管内担い手( 組合員) の育成、経営確立支援。集落営農の育成。
      • 農業委員会− 担い手の農地集積支援。集落営農の育成。
      • 土地改良区− 圃場整備の推進と担い手の育成。
      • 地方振興局− 市町村等への指導・支援。
      • 農業改良普及センター− 担い手への支援、集落営農の推進等
    2. 集落型の経営体(集落営農組織)の育成と地域リーダーの育成、ネットワーク化の検討
      • 県(本庁)− 集落型経営体支援センターへの支援
      • JA県中央会− 農協ならびに集落営農組織への指導・支援。地域リーダー、法人化育成支援。
      • 県農業公社− 農地保有合理化事業を通じた集落型経営体の農地集積支援
      • 県農業会議− 市町村、農業委員会への指導・支援、集落型の経営体( 集落営農組織)・法人化設立支援、専門家の派遣。
      連携
      • 市町村− 集落ビジョンにおける集落型経営体の育成支援ならびに集落リーダーの育成。
      • 農協− 管内集落における集落営農組織の育成推進。集落リーダーの育成。集落における農地集積の推進。
      • 農業委員会− 農業委員会による集落営農の育成。地域・集落における農地の利用集積の推進。
      • 土地改良区− 圃場整備の地区における集落営農の推進。
      • 集落型経営体支援センター(県) −市町村、JA と連携した集落営農の推進
  2. 農地の利用調整
    • 県(本庁)− 市町村等への指導・支援。
    • JA県中央会−農協(農地保有合理化法人)への指導・支援。
    • 県農業公社− 農地保有合理化事業を通じた農地集積支援
    • 県農業会議−農業委員会への指導・支援。
    連携
    • 市町村−集落ビジョン等の実践を通じた利用集積。
    • 農協−管内集落のビジョン等の実践を通じた農地の利用調整。農地保有合理化事業を活用した農地の集積。
    • 農業委員会−集落ビジョン等の実践を通じた農地の利用集積実践。管内集落間のの利用調整。
  3. ほ場整備の推進
    • 県(本庁)−事業採択、実施の重点化等に関する各種調整・方針決定。地区内の農地利用集積や畑地化の促進に係る振興局等への指導・支援
    • 県土地連−事業計画の策定、農地利用集積の促進等に係る地区内土地改良区への指導・支援
    • 県農業公社−農地利用集積の促進等に向けた地域への指導・支援
    連携
    • 市町村−農地利用集積計画の策定、集積や畑地化等の推進に向けた地域への指導・支援
    • 農協−農地利用集積や畑地化等の推進に向けた地域への指導・支援
    • 土地改良区−農地利用集積や畑地化等の推進に向けた地域内調整の実施
    • 地方振興局−事業の推進。農地利用集積や畑地化等、地域営農構想の実現に向けた関係機関・団体・地域への指導・支援
  4. 経営管理及び態様整備に関する支援
    • 県(本庁)− 認定農業者ビジネススクール(トップスクール)の開設支援
    • JA県中央会− 農業者年金の普及促進。
    • 県農業会議− 認定農業者ビジネススクール開設、農業法人ビジネススクール支援( 農業法人協会、簿記講習会等マネジメント)能力向上支援、農業者年金の普及促進、家族経営協定推進支援。
    連携
    • 市町村− 簿記講習会等マネジメント能力向上支援、家族経営協定推進支援。
    • 農協− 管内担い手( 組合員) の経営確立支援、農業者年金の普及促進支援。
    • 農業委員会− 農業者年金の普及促進、家族経営協定推進支援。
    • 農業改良普及センター− 担い手へ経営確立の支援、家族経営協定推進支援。
  5. 金融対策
    • 県(本庁) −市町村等への指導・支援
    • JA県信連−農協への指導・支援
    • 農林公庫盛岡支店− 市町村、農協、地方振興局への支援。
    • 県農業会議・JA県中央会− 農業再生委員検討。
    連携
    • 市町村− 担い手への融資支援
    • 農協− 担い手( 組合員) への融資
    • 地方振興局− 担い手への融資支援
    • 農業改良普及センター− 担い手への融資支援