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平成17年7月29日宮崎県担い手育成総合支援協議会

  1. アクションプログラム策定と策定に当たっての考え方
    • 県協議会は、本県農業・農村の担い手の確保・育成を促進するため、県全体の担い手対策の方針に基づき、関係機関団体の役割分担の明確化、施策の体系化と計画的な実施などの総合調整を行うことにより、担い手育成対策の充実強化を図る。
    • そのため、担い手対策に関する5年間の取組目標を掲げ、その目標達成に向けて単年度ごとの目標を設定し必要な事業を実施することを定めた「アクションプログラム(以下『プログラム』という。)」を策定する。
  2. 平成22年度(向こう5カ年)に向けた担い手育成・確保の基本方針
    1. 総論
      • 担い手の高齢化、減少が避けられず、集落の維持さえも懸念される時代にあって、経営感覚に優れた農業経営者の育成と収益性の高い農業の実現により、「農業は魅力がない(儲からないから)から担い手が育たない」という悪循環を脱し、「農業は魅力がある(儲かる)から担い手が集まる」という良い循環を作りあげる必要がある。
      • 「農家」から「経営体」へのステップアップをめざした経営重視の担い手育成とそれを支える地域マネージメントの強化を柱に「担い手」づくりを支援する。
    2. 認定農業者
      • 望ましい農業構造を確立するため、長期的な視点に立って地域が主体的に担い手を明確化し、地域を牽引する担い手として認定農業者を位置づけ、積極的な支援を行う。
      • また、認定農業者の意欲の向上を図り、自ら作成した農業経営改善計画の目標達成を目指して集中的、重点的な支援を行うことにより、他産業従事者と同等以上の所得と他産業並みの労働時間の実現を目指す。
    3. 集落営農を含む法人経営体の育成
      • 農業法人の育成を一層促進し、取引先や融資機関の信用力の向上、雇用環境の充実等による有能な人材の確保・育成など、農業経営の安定化と拡大を図る。
      • また、担い手の不足する地域においては、1集落1農場をめざした集落営農法人の育成や広域に担い手の補完的役割を果たす市町村や農業協同組合等が出資する法人の設立を推進する。
    4. 集落営農の推進と広域支援体制の整備
      • 担い手が不足する地域では、集落での合意形成のもと、高齢・兼業農業者も含めた多様な住民が、それぞれの役割を果たし、集落ぐるみで農業を営む集落営農の本格的な推進を図る。
      • また、担い手の確保、農地の有効利用が集落内で調整が困難な場合には、農地保有合理化法人としての農業協同組合による農地調整、さらには農業協同組合や市町村が参画する法人を設立し、集落の枠を超えた調整により、担い手機能を補完する仕組みづくりを推進する。
    5. 農業サービス事業体の育成
      • 担い手となる農業者が経営規模の拡大等を図るとともに、ゆとりある農業経営の実現が可能となるよう、さらには効率的な地域営農システムを確立するため、農業ヘルパー組織及び農作業受託組織の育成、共同利用施設の整備など、営農サポートシステムの充実を図る。
  3. 平成22年度(向こう5カ年)に向けた担い手育成・確保の目標
    • 下部の表「担い手育成・確保の目標」参照
  4. アクション・プログラム実現のために必要な活動等に関する事項
    1. 認定農業者
      1. 認定農業者の確保・育成
        1. 地域において確保・育成すべき担い手の明確化と合意形成の促進
        2. 青色申告実施農家(県農業経営者組織協議会会員など)、既存の認定農業者から経営移譲を受けた後継者及び農業法人を主体とした認定農業者への誘導
        3. 施策の集中化・重点化に伴う効率的・効果的な支援体制の確立
        4. 支援策の積極的な紹介・PRなどによる認定農業者制度の定着と促進
      2. 高い意欲を持ち、自らの経営改善を図る農業経営者の育成
        1. 市町村、農業改良普及センター、農業協同組合、農業委員会など育成支援機関の役割分担の明確化と連携強化
        2. 農業経営改善計画の目標達成に向けた具体的なフォローアップ活動の強化
        3. 農業の担い手及び農業経営のリーダーとして位置づけ、意識や意欲を向上
        4. 認定農業者間の情報交換や相互研さんを図るためのネットワークづくり
        5. 経営規模の拡大や多角化等により新たな経営発展を図るため各種の支援策の充実
    2. 集落営農を含む法人経営体の育成
      1. 法人経営体の育成
        1. 法人化啓発の研修や個別相談等の実施により農業経営の法人化を推進
        2. 債務管理や労務管理に関する専門的な助言指導を行える支援体制の充実
        3. 担い手の減少に対応して農地を利用して農業経営を行う農業生産法人の育成を強化
      2. 法人経営の充実強化
        1. 認定農業者制度の活用を進めるなど、各種の支援策への取組による経営規模の拡大や多角化を推進
        2. 雇用型経営体に対する安定的な人材確保のための仕組みづくりの強化
        3. 農業法人と異業種との情報交換・交流活動を支援し、連携を強化
      3. 新たな地域ぐるみ農業(集落営農法人など)の推進
        1. 効率的で安定的な経営を目指す集落営農組織に対する法人化への誘導強化
        2. 集落営農法人への農地の面的集積を実現するための農地利用集積を促進
        3. 担い手機能を補完する市町村・農業協同組合等が出資する法人の育成
    3. 集落営農の推進と広域支援体制の整備
      1. 集落営農推進体制の整備
        1. 集落営農を牽引する統率力、行動力及び優れた経営感覚を持った地域リーダーの発掘・育成
        2. 集落営農の実践と継続的な話し合い活動に対する支援
        3. 農業改良普及センター、市町村、農業協同組合等の連携によるサポート体制の強化
      2. 集落営農の組織化の推進
        1. 集落ぐるみでの農用地の所有・利用等の権利調整ができる農用地利用改善団体の組織化、活動強化
        2. 農用地利用改善団体と既存の受託組織、営農集団との連携による生産活動の展開
        3. 地域の農業・農地を引き受ける特定農業団体や特定農業法人へのステップアップ
      3. 広域支援体制の構築
        1. 担い手の確保、農地の有効利用等集落を超えた地域ぐるみでの営農の推進
        2. 市町村や農業協同組合が出資する農業法人等による広域的な支援体制の整備
    4. 農業サービス事業体の育成
      1. 農業ヘルパー組織等の育成
        1. 肉用牛及び酪農ヘルパー等の組織化と機能強化
        2. 耕種部門における、ハウスのビニル張り等を行う援農組織の育成
        3. ハローワークやシルバー人材センターとの連携強化、無料職業紹介事業の実施、農業研修活動及び市民農園の拡充による農外からの農業ヘルパー参入機会の拡大
      2. 農作業受託組織の育成と共同利用施設整備の促進
        1. 主業農家以外の農家、女性・高齢農業者も含めた農作業受託組織の育成
        2. 農業者による農作業受託組織が困難な地域では、市町村や農業協同組合がその機能を補完する仕組みづくりの支援
  5. アクション・プログラムに関連した活動に関する事項
    1. 優良農地の確保と農地の総合管理
      • 農業振興地域の整備に関する法律、農地法、農業経営基盤強化促進法の適正な運用を図り、農業生産の基盤である優良農地の確保とその有効利用に努める。
      • また、農地保有合理化法人や農用地利用改善団体を核とした農地の「所有者」と「利用者」を調整・総合管理する仕組みづくりを進め、農地の面的利用集積を加速的に推進するとともに、農地の遊休化防止・解消に向けた取組を強化する。
      1. 担い手への農地の面的利用集積の加速化
        1. 農地の「所有」と「利用」の総合管理・調整による農地の面的集積促進のための環境づくり
        2. 農地情報管理システムの構築による農地流動化情報の一元的管理と地籍の明確化による地図情報の整備推進
        3. 大区画化や汎用化など地域農業の実態に即した基盤整備の実施及び面的集積
      2. 農地保有合理化法人の機能強化
        1. 農地保有合理化法人が持つ中間保有・再配分機能を生かした農地流動化の推進
        2. 農地保有合理化法人と市町村農業委員会及び関係機関・団体との連携強化
      3. 遊休農地の解消と発生防止
        1. 遊休農地・遊休ハウス等の実態把握と活用方策の明確化
        2. 優良農地への復元と農地保有合理化法人による農地等貸借の促進
        3. 市民農園や新規就農者の学習農園等への活用、景観形成作物の植栽による有効活用の促進
    2. 新規就農者
      • 農業後継者をはじめ、新規参入者、農業法人等への就農者など、個々の就農希望者が自信と希望をもって農業に取り組めるような就農しやすい環境づくりを整備し、即戦力となる人材の確保・育成に努める。
      • また、青年農業者については、プロジェクト活動や組織活動の支援を通じて、企業的な経営主として育成する。
      1. 一貫した担い手育成の仕組みづくり
        1. 県段階における就農相談から経営定着までの一貫した支援プログラムなど、関係機関・団体が一体となった支援体制の構築
        2. 市町村毎の育成すべき担い手の明確化と就農支援体制づくりの推進
      2. 即戦力となる新規就農者の確保・育成
        1. 農業関係者との交流機会の確保による農業高校生の就農促進
        2. 無料職業紹介事業による農業法人等への就農促進など、農業法人等との連携強化による新たな就農ルートに対応した就農相談活動の充実強化
        3. 県立農業大学校における実践教育の充実強化による就農促進
        4. みやざき農業実践塾や農業法人等との連携による研修システムの充実強化
        5. 遊休ハウス等地域の農業経営資源を有効に活用したリース農場方式による人材育成等、新たな就農支援システムの構築
        6. 自主的活動であるプロジェクト活動を基本に、他産業従事者との交流を促進し、企業的な経営主となるための豊かな発想や幅広い視野をもつ青年農業者の育成
  6. 平成17年度の活動目標
    1. 本年度の活動の重点
      1. アクションプログラムの作成と関係機関団体の役割分担の明確化
        • 本県農業の核となる担い手である認定農業者・農業法人・集落営農法人・JA出資型法人、及び多様な担い手である集落営農組織・農業サービス事業体等の確保・育成を図るために行動計画(アクションプログラム)を策定する。
        • さらに、アクションプラグラム達成のために関係機関団体の役割分担を明確化し、施策の体系化と計画的な実施などの総合調整を行うことにより担い手育成対策の充実強化を図る。
      2. アクションプログラムの推進
        • アクションプラグラムの効率的な推進のため、認定農業者や集落営農法人等の支援のための専門部会を設置し、集中的・重点的な担い手支援を実施する。
        • また、担い手に対する経営指導の充実と経営資源の円滑な継承を図るため、専門部会設置に関する検討を行う。
      3. 地域協議会の設置促進及び活動強化支援
        • 担い手の確保・育成のため、市町村、農業協同組合及び農業委員会などの支援機関が一体となって、役割分担と連携を図りながら効率的・効果的な支援を実施できるよう、地域協議会の設置促進及び活動強化支援を行う。
    2. 本年度の担い手育成・確保の目標
        現状 県農業・農村振興長期計画
      基準年平成15年度 目標年平成17年度 目標年平成21年度 目標年平成26年度
      認定農業者 7,073 7,380 7,700 7,900
      農業法人 456 499 590 720
      農業生産法人 200 229 290 390
      集落営農法人 1 6 22 57
      JA出資型法人 2 8 13 13
      個 別 経 営 197 215 255 320
      一般農業法人 256 270 300 330
      集落営農組織数 13 30 100 145
      農作業受託組織数 174 190 220 260